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無人クラス

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先日、ようやく普通免許を取得しました。
「取得してしまった」のほうが正しいのかもしれません。

教習所での初乗車の際に担当教官から、「君は未来の轢き逃げ犯やな」と衝撃の宣告をされた僕にしてはよく頑張ったと思います。
最初、この宣告自体を、初めて運転する人をリラックスさせるための教官屈指のジョークなのかなと思って、「あはは、冗談きついっすよー」と半笑いで言ったら、違いました。本気でした。真顔で「ふざけてんのか」と説教されました。自害しようと思いました。

まあ初回からそんなことがあって、そこから何回か乗車したんですけど毎回怒られてばかりで、8回くらい乗車した頃でしょうか。豆腐メンタルの僕はドライビングスクールエスケープ症候群にかかってしまいました。簡単に言えば、登校拒否です。糞この上ないですね。

結局三ヶ月くらい拒否りました。もう免許なんていらない!自転車あるし!有酸素運動にもなるしね!ちょうど膝とか鍛えたかったし!という、悲しき葛藤はあったんですけど、よく考えてみれば30万円近い教習代は誰が払っているのかと言えば僕が払っているのです。

店員じゃなかったら恐らく何らかの過ちを犯してしまうだろうなと思うほどの客とは名ばかりのモンスターへの対応をこなし、ようやくその対価として受け取ったアルバイト代を未来の轢き逃げ犯宣告のためだけに無駄にして良いのでしょうか。良いわけがありません。

ということでそこから教習所に通い詰めました。朝、目が覚めたらそこが自宅なのか、教習所なのか、それとも母なる星、ピポット星なのか区別がつかなくなるくらいには通い詰めました。そしてやってきた卒業検定の日。

驚くことに検定の担当教官はあの忌々しい、僕にトラウマを植え付けた、どことなくスマイリーキクチを彷彿させる容貌のあいつでした。
検定自体は無難に終わり、見事合格しました。合格により多少気持ちが高揚していた僕は、キクチに、「初乗車のとき、あなたに未来の轢き逃げ犯宣告されたんですよ」と切り出してみました。

するとキクチはあの日と変わらない真顔で言い放ちます。

「君は未来の玉突き犯やな」

多少の成長はしたものの、どうやら僕に運転は向いていないらしいです。
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